第159章

丹羽光世はホテルへ向かい、島宮奈々未は病院に残って渡辺芳美の看病にあたった。

看病といっても、渡辺芳美は昏睡状態にあり、いつ目を覚ますかもわからない。

島宮奈々未にできるのは、病室の入り口からそっと様子を窺うことくらいだった。

「島宮さん、もう遅いですから、早く帰って休んでください」大西茂が穏やかな足取りで近づいてきた。「ここは看護師や医者が診ていますから、大丈夫ですよ」

島宮奈々未は、ここに残っても自分にできることがないのをよくわかっていた。

「大西さんでも、どうにもならないんですか?」

「渡辺のおばさんの精神力次第、としか言えませんね」大西茂はきわめて客観的に告げた。「ですが...

ログインして続きを読む